ミラノはまだまだ寒さが続きますが、それでも晴れの日のお昼の日差しは春めいてきました!
ところで今回の帰国は、綱渡りでトラブル続出でした~、、、、。 我が家は夫婦ともに巡業芸人?なので、ネットのカレンダーにお互いの仕事を入力し、どちらかが仕事のときはどちらかが子守、とローテーションを組んで乗り切っているのですが、今回は大変なことになってしまいました。私の日本での本番が13日でしたので、14に成田を出てミラノについたら、その日に夫がシチリアへ出発、という予定を組んでいたのですが、さすがのイタリア、さすがのシチリア、日程が間違っていたとかで彼の本番も13と14だというではありませんか。しかも間違いが判明したのが約3週間前という。イタリアがいい加減なのはもう馴れましたし、シチリアがすごいのも知ってはいましたが、大編成アンサンブルの本番でのこんなミスは大混乱を招きます。我が家の指揮者は、アンサンブルリーダーに、「奥さんが日本に帰っちゃってるんで子守があるからこの日程では動けません」となんとも説得力のない理由で突っぱねたのですが、強力な説得にあい、子連れでシチリアにいく決心をしたのでありました。 私が子供をつれて日本にゆっくり帰るという選択肢もあり、かなり迷ったのですが、コストと距離による大変さ、イタリアの幼稚園に長期お休みしないほうがいいかなと考え、私も夫の子連れ指揮者案にしぶしぶならがら賛成、単身弾丸帰国という当初の予定を決行したわけです。 ところが私が日本について、息子の様子を尋ねると、「困った、、熱がでてきた、、」というではありませんか。マンマミーア!!私も日本に着いてしまっているし、本番もあるし引き返せない・・・・夫も明朝出発で夜が本番の予定で、今から代役を探すことも無理だから、こうなるとコンサートそのものがキャンセルになってしまう。 途方にくれてしまいました。考えられるのは息子のお友達のお宅にお願いすることくらいですが、息子の熱があまりに高かったらそれも無理だし、1,2時間様子をみながら、ママ友達にSOSの国際電話をかけることにしました。 幸いに息子の熱は37度から38度の間をうろうろ、でインフルエンザなどではなさそう。熱痙攣などの心配もなさそう、ということで、親切なママ友達が翌朝から息子を二泊預かってくれることになりました。思わず電話口で涙ぐんでしまいましたが、、、ミラノに親も親戚もいない私たちにとって、こんなときに頼れるお友達がどれほど大切か思い知りました。常識的に考えれば、3歳の息子を放って、母親は日本、父親はシチリアに仕事に行ってしまうなんてどんな両親だと思うでしょう。今回ばかりはそうやって仕事を綱渡りで続ける意味、周りにかける迷惑の大きさを考えさせられてしまいましたが、ともかく私がミラノに戻ったら息子は元気になっていました。心配していた熱もそんなにひどくならずに、二泊三日とても楽しく過ごさせていただいたようで、本当にありがとうございました!Yさん! その後息子はいたって元気なので、あの熱は、知恵熱ならぬ寂しい熱だったのでしょうか??ふうぅぅぅ・・・・・ 私が今回演奏させていただいた本番は、文教大学理事長も勤められておられます、作曲家の田村徹氏の個展でした。田村氏の作品を私の恩師平尾はるな女史が何度も国内外で弾いておられて、今回の個展を開催するにあたり、平尾先生が内容など全面的に協力されたそうです。そんな経緯で、私もはるな先生とともにおなじステージでそれぞれの曲の演奏を受け持つというコンサートになりました。当日はレコーディングスタッフもはいっており、ライブCDを後日作るとかで、名調律師菊地和明氏の手に掛かったベーゼンドルファーインペリアルが用意されておりましたので、直前まで息子の発熱騒ぎでガタガタしていたのですが、演奏に入るとすっと集中して、気持ちよく演奏させていただき、田村氏にも喜んでいただきました。 そんなわけで、今回もいろいろな思いが渦巻く弾丸帰国でありました。 第3回 あなたが選ぶ NEC ガラ・コンサート 発売のお知らせ 黒田亜樹 (ピアノ) ドビュッシー(ボルヴィック編)/牧神の午後への前奏曲 望月京/メビウスリング ピアソラ(黒田亜樹編)/アディオス・ノニーノ その他の出演者 田中靖人(サクソフォーン)、三浦友理枝(ピアノ)、ドゥオール(ピアノ・デュオ)、池上英樹(マリンバ)、瀬崎明日香(ヴァイオリン) 3月20日(金/祝)3:00PM開演 浜離宮朝日ホール 入場料 応援席5,000円 A席3,500円 B席(2Fバルコニー席)2,000円 一般発売 2/14(土)10時から、@電子チケットぴあ、e+にて ▼@電子チケットぴあ 0570-02-9999 (Pコード 316-165) ▼e+ (PC&携帯用)http://eplus.jp/gala09/ *「応援席」とは、本コンサート出演アーティストをもっともっと応援したい 方のための特別席です。 音響の素晴らしさを誇る浜離宮朝日ホールの中でも飛び切りの200席を「応援 席」として確保いたしました。
by kuroakinet
| 2009-02-21 15:31
| ミラノ日記
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黒田亜樹(piano)
東京芸術大学卒業後、イタリア・ペスカーラ音楽院高等課程を最高位修了。 フランス音楽コンクール優勝。ジローナ20世紀音楽コンクール現代作品特別賞受賞。現代音楽演奏コンクール優勝、朝日現代音楽賞受賞。卓越した技術と鋭い感性は作曲家からの信頼も高く、「ISCM世界音楽の日々」「現代の音楽展」「サントリーサマーフェスティバル」「B→Cバッハからコンテンポラリー」など、主要な現代音楽演奏会にて内外作品の初演を多数手がける。ビクターより「タンゴ・プレリュード」「タンゴ2000」をリリース。タンゴの本質を捉えた表現と大胆なアレンジは各方面で注目された。2013年にはバンドネオン奏者の小松亮太氏とともにピアソラ作曲オペラ『ブエノスアイレスのマリア』を、ピアソラ元夫人で歌手のアメリータ・バタールを迎え完全上演し話題を呼んだ。国外ではサルデーニャのSpazioMusica現代音楽祭でブソッティ作品の初演、パルマのレッジョ劇場でキース・エマーソンの代表作「タルカス」を現代作品として蘇演、シチリアのエトネ音楽祭出演などイタリアを中心に活動。 作曲家・植松伸夫と浜渦正志の指名により録音した「PianoCollectionsFINALFANTASY」やイタリアLIMENレーベルよりリリースした「ブルクミュラー練習曲全集」のDVDによっても、世界中のファンに親しまれている。 2014年アメリカのオドラデクレーベルより「火の鳥」~20世紀音楽ピアノのための編曲集リリース。イギリスBBCミュージックマガジンにて五つ星、レコード芸術誌にて特選盤に選ばれる。「東京現音計画」メンバーとしてサントリー芸術財団第13回佐治敬三賞受賞。ミラノ在住。ht t p:// k u r o a k i. n e t 公式サイト・クロアキネット 以前の記事
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