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蘇るマリア!

今月中旬はミラノに二週間帰って、国際ジュニアコンクールの審査員とやらを務め、23か国ものジュニアピアニストたちの演奏を聴いてきました。普段から息子の小学校なども多国籍なので、文化的背景も親子関係も教育に対する感覚もそれぞれ違うということは重々承知であるけれども、ピアノにおいてもやっぱり音色や表現に大きな違いとなって現れますね。きっと私だっていろんな意味でやっぱり日本人ならではの音がしているんだろうなと思う瞬間・・・・・
ささやかな国際交流のお役目を果たしたあとは、大慌てでまた帰国して今週はまたまたマリア!マリア!マリア三昧です!!
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アストル・ピアソラの大作「ブエノスアイレスのマリア」が上演され、録音されたのが1968年。私が生まれた年です。

20代の始めにピアソラに夢中になってあれもこれも必死で耳コピーして、このオペラにもどれほど憧れて何度きいたことか。アレグロタンガービレはピアノソロに編曲てCDにも入れたりして何度も弾きましたが、オリジナルの編成で、そしてこのCDでマリアを歌っているアメリータさんと全編上演する日がくるだなんて!!


まだデビュー前だった亮太君のライブに足を運んだり、自分もバンドネオンにも手をだしたり諦めたり、タンゴ奏法を小松真知子さんに習いに伺ったり、仲間とピアソラランドを結成したり、タンゴに向き合っては跳ね返され、紆余曲折。揚句にイタリアに流れついたりしたわけですが、イタリアの仲間たちと演奏していると、私は日本でタンゴ仲間たちに教えてもらったいろんなエッセンスのおかげで強くなれたんだなと思うことが多いのです。

そんなことを思っている時、亮太君から3年前「マリア、やりませんか」とお誘いのメールが飛んできて、何が何でも弾かせて!と返信しました。それから本当にいろいろなことがありましたが、一回でも多くリハーサルに参加したくて、一回でも多くライブに参加したくて、せっせと口実作っては帰国してライブを重ねてきました。オール日本人キャストでのマリア、SAYACAちゃんが悩みながらどんどんマリアになっていった様子にも、大きな勇気をもらいました。


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24日江古田バディ オール日本人キャストによるブエノスアイレスのマリア




そしてついに昨日、アメリータさんとのリハーサル。私の自分の生きていた年月分、マリアが時間を巡って明後日新宿で蘇るんです。
リハーサル初日の1曲目、私たちが演奏はじめたら、アメリータさんもおおおーーって両手で顔を覆って、感極まっておられました。

とはいえ、感動したり感慨にふける間もない大作なので毎日ひたすらリハーサルするのみです。
明日はホールでリハーサルです!本番ではこれまでのさまざまな時間が音になりますように!


アメリータさん、74年のピアソラとの映像。アメリータさんの大ヒット曲、この動画で歌っている「ロコへのバラード」も「ブエノスアイレスのマリア」と同じ、ピアソラ×フェレール×アメリータさんのコラボレーション。

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by kuroakinet | 2013-06-28 00:33

芸大第一ホールと第二ホールとキャッスルと大浦!その2

その2・・・・
ミラノに戻る前日、今回の帰国中の最後の仕事は、再び母校にて「小松亮太講師による特別講座」。ここ数年、すっかりご無沙汰だった芸大に二週間のうちに二回突撃して弾き倒して来たわけです。

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カルボナーレは第一ホールでしたが、小松亮太講座はお隣の第二ホール。このお部屋は実技試験やら、合唱などの授業を受けた部屋だったんじゃなかったか・・・・
最初に1時間、小松氏がタンゴが生まれるアルゼンチンの歴史的政治的背景、ピアソラ以前のタンゴのビデオやバンドネオン体験ミニレッスンの素晴らしい授業を。休憩を挟んで後半はブエノスアイレスのマリアを抜粋で演奏しました。アコースティックの楽器にこんなにPA入れて第二ホールで演奏するってのも芸大ではものすごく珍しいことだったでしょうね。それより何より、芸大で、がっくり、じゃなくて楽理科主催でタンゴの講座が、大所帯バンドの演奏付で行われるたことがそもそも驚きです。

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芸大特別講座の様子、詳しくは小松亮太氏のブログで。

リハーサル後の空き時間がかなりあったので、のんびり食堂へ。芸大は道路隔てて「音校」「美校」に分かれていて、どちらにも食堂があるんです。音校は洋食系の「キャッスル」、美校には大衆食堂系の「大浦」があってちょっとキャッスルのほうが高級。
ピアノ科の綺麗なお姉さんたちはたいてい「音校」の食堂キャッスルで優雅に洋食、だったのですが私はその綺麗なお姉さまグループからはみ出して「美校」の友達と委員会活動なんかもしていたので、貧乏学生チームで大浦に入り浸っていました。

だというのに、音校の「キャッスル」に15年ぶりくらいに顔をだしたら(年齢さば読んでるんじゃありませんよ!イタリアに住む前まではよく芸大には仕事などで通っていたからね)、キャッスルのおじちゃんが「おお、、、あんた元気かい?久しぶりだねえ。盛り合わせでも食っていきなっ」と私の掌に食券を握らせて奢ってくれたのです。私もお姉さんではなくなっていて、おじちゃんもおじいちゃんになっていたのに、それとは別の変わらない空気がそこにはあって、ちょっと涙が出そうな瞬間でした。

大浦のほうにも立ち寄ってみたら、「ミスター」といわれていた名物マスターがお変わりなく厨房に。「お久しぶりです」とご挨拶したら、「ああ、葉加瀬たちとかの世代だね、いつもここにいて委員とかいろいろやってただろ」と言われ、うっそーそんなにちゃんと覚えているの?びっくり、とまたまた感動。

さらにキャッスルでコーヒーを飲んでいたら。「黒田亜樹さんじゃないですか!」と向かいのテーブルから声が!
在学時代の教務課のお兄さんだったAさんが当時と変わらぬにこにこ顔で向かいのテーブルでコーヒーを飲んでいるではないですか。フルネームで呼ばれてびっくり。教務科にフルネームで覚えられてるってどういうこと?まあそういうことか。とほほ。

というわけで、オペラシティ6月末の大本番にむけて小松亮太一座で数々の本番を重ねているわけですが、芸大講座での演奏を終えると、中学時代から教えていた教え子たち、現役芸大生たちが一生懸命拍手して入る姿が見え、さらにその向うでは教務お兄さんだったあの方も、学生さんに混ざって一生懸命拍手してくれていました。

というわけで芸大訪問二回目が終了するやいなや、翌朝のアリタリア便でミラノに戻って着ました。明日からはミラノ国際ジュニアコンクールPianotalents 2013 の審査を一週間します。23カ国の若手ピアニストの演奏をききます!

それが終わったら今度は夏の長期帰国ですぐさままた日本です。6月29日のオペラシティ「ブエノスアイレスのマリア」が完売になってしまったので、急遽前倒しライブが決定しました!!6月24日江古田BUDDYです!

アストル・ピアソラの大作「ブエノスアイレスのマリア」とは何なのか…?小松亮太くんのブログを是非是非お読みください!

うわー長くなっちゃった!では明日から5日間の審査がんばります。おやすみなさい~
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by kuroakinet | 2013-06-12 06:33 | コンサート

芸大第一ホールと第二ホールとキャッスルと大浦!その1

一昨日ミラノに戻りました。カルボナーレ芸大公開講座に始まり小松亮太芸大特別講座に終わったという、初日と最終日が芸大という珍しい帰国でした。というわけでちょっと感慨に浸ったりしながら覚書。

前々回、「カルボナーレツアーが終わるころに倒れないように祈ってて」と書きましたが、予想どおり予定終了後、見事に倒れちゃいました。カルボナーレは時差ぼけもなんのその、毎日移動して毎日コンサート、公開講座、個人レッスン、レコーディング、撮影など出来ることを全てやってローマに戻っていきましたが、彼を見送ったあと私はベッドから起き上がれず。体力が完全に負けていると思いましたね。そう、彼はどこに行ってもホテルのフロントで近所にジョギングコースがないかを尋ねるのですよ。毎日分刻みの予定を入れておきながら、朝待ち合わせの前にはジョギングを済ませている。やっぱりあの恐るべき集中力は体力なしではありえないのね。私もこつこつ走らなきゃ。。。まだまだです・・・・・まあでもお世話係件通訳件ピアニストという厄介なお仕事でしたので仕方ないか。とほほ。

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成田空港から上野に向かい、到着初日に公開講座をした芸大第一ホール。たしかここは私が入試を受けた部屋!私の東京ライフはこの部屋で始まったのよねえ。と少々感慨に浸りつつ、カルボナーレが繰り出す冗談の数々を通訳しました・・・・・

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各地の公演もリハーサルではいつもどおり結構ナーバス、しかし本番は超ご機嫌で終了。岡山ルネスホール、響きも雰囲気も素晴らしくって、宿泊した岡山国際ホテルの朝食の充実度ったら!!ありがとうございました!名古屋の宗次ホールも素晴らしい響きで、彼の演奏も絶好調。名古屋在住の方々から宗次社長のお話をいろいろ伺って本当に感動しました。東京に帰宅後、COCO壱カレーの出前を取って堪能したのは言うまでもありません~

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カルボナーレの演奏は、自由奔放に見えて実はとても緻密で完ぺき主義なので、どうも私も楽しげに弾いているようにみえているらしいのですが、そんなわけではありません。ぴりぴりです。でも絶妙なプログラミングと合間の気の利いたトークで客席もだんだん盛り上がっていくので、結果最後は彼も私もお客様もみんな笑顔、になっちゃうんですね。東京公演ではサイン会にこんな行列が。毎回「AKI、この行列を撮影して」って言うのでいそいそと私はみなさんにカメラをむけたりするわけですが、イタリアではこんなに若い人たちが行列するなんて考えられないから、イタリアに帰って見せたいんですって。そういえば、大学での公開レッスンでも客席を彼自身が撮影していましたよね。
そんなこんなで今年のカルボナーレツアーも賑やかでした。今年の秋と来年の秋、オーケストラで日本にまた来るそうですよ!

で、その後、私は倒れちゃったわけですが数日後、今度は小松亮太一座としてまた芸大に行ったのです。今度はイタリア人のお世話もなかったので、懐かしい食堂なんかもゆっくり訪れてみたところ、おじちゃんが「あらあら、あんた元気~?」と変わらない声で迎えてくれて感激!。。。。続く。


カルボナーレ津田ホールリサイタルの様子、こちらの素敵なブログにて紹介していただきました。

平井洋さんの番組、第二回の放送もありました。詳細はこちら!

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by kuroakinet | 2013-06-08 00:22 | コンサート