2009年子連れ帰国の夏がおわり、ミラノで幼稚園、仕事ともに新年度が始まりました。
長い帰国の割には、子連れということで動きも制約されてしまい、仕事だけで精一杯でなかなか会いたい人たちに会えませんでした・・・・暫くはこういう帰国が続くのかしら。ご無礼してしまった皆様、ごめんなさい。 しかし、着いた当初は「ああ、なんて日本は住みやすいんだろう」としみじみ思ったし、息子も「ぼく、日本だーいすき!イタリアにかえりたくなああい!」というのが口癖だったのですが、ミラノにもどった翌朝、家族で食卓を囲みながらエスプレッソをのむと、なんとも言えず落ち着いた気分にもなり、息子も「早く幼稚園始まらないかなあ」と早起きして、毎日こちらのお友達に会えるのが嬉しそう。 日本帰国中の私の住まいは世田谷ですが、4歳の息子を毎日どこかの一時保育に預けるというのは難しく、悩んだ挙句にインターナショナル幼稚園のサマーコースに入れることにしました。夏休みといえども、こちらは仕事もあるので、毎日子供と遊び歩くわけにもいかないし、毎日決まった時間に登園して帰宅するというペースを維持するためには、サマースクール参加が一番だったのです。ちょっと贅沢な選択ではありましたが、、、でも、わが息子、イタリアでやっとイタリア語の幼稚園生活になじんだかとおもえば、日本に帰ったら今度は朝から毎日英語漬けでどうなるのやら、と思いきや、とっても楽しそうに英語漬け生活に馴染んでいました。でも全く英語の分からないわが息子、どうやって先生方とコミュニケーションしているのかとおもったら、カナダ人の先生が「英語が通じないときは、彼がイタリア語で話して私がフランス語で答えるのよ」ですって!なーるほど。 途中、静岡熱川の親の隠居先の保育園にもお世話になり、夏祭り大会では浴衣姿で盆踊りを堪能。相変わらず踊りが好きなところは1歳から変わりません。ピアノもバイオリンも興味あるような素振りはないのですが、踊りだけは独学?物まね?でかなりそれっぽくやるので、ちょっと親ばかになってミラノにもどってからスカラ座のバレエ学校なんぞの情報を調べてしまいました。しかし調べれば調べるほどバレエ、踊りの世界も厳しい世界です。やはり盆踊りで楽しいくらいでとどめておくほうがよさそう。 息子がこんなに踊りが好きになった原因は、私の実家の家族がバレエ好き、という因果関係があるのですが、かくいう私も13歳くらいまで、かなり一生懸命バレエを踊っていて、最後に踊ったのは「くるみ割り人形」のクララでした。妹はもっと本格的にバレエをやっていて、一時はプロをも目指していました。そんな背景があって、幼児期からバレエのDVDなどを見せてしまったら、それに1歳からすごい情熱で食いついて来たわけなのですが・・・・ そんなわけで(無理やりつなげてみた・・・)、8月の杉並公会堂のコンサートでは、ダンスとのコラボレーションを試みてみました。数年前神田英姫さんのステージを拝見し、そのときの変貌自在のダンスがとても素敵でとても印象に残っていて、牧神の午後に彼女の踊りが加わったらどうだろう?とある日ひらめいて、その場で電話して口説いてしまいました。ニジンスキーの映像をみて、余りの大作に一度は断られかけたのですが(汗)、「姫ちゃんのダンスは絶対牧神にあうとおもう!」と口説きに口説いて、実現した企画でした。本番中もリハーサル中も私は演奏に必死で、彼女の踊りを気配でしか感じることができなかったのですが、下記動画でその舞を確認することができました!コンサートにこられなかった皆さんも、是非神田さんの牧神の午後、ニンフの舞をご覧ください。 で、この動画でおわかりのように、前のブログでスペシャルゲストとお知らせしたのは、ヴァイオリンの渡辺剛くんだったのです。 姫ちゃんとユニットで活動している剛君が事前打ち合わせに合流してくれて、久しぶりの会話に花が咲くうちに、アンコールに飛び入りしてよーーーという流れになりました。渡辺剛君といえば、Gクレフとして紅白に出たり、学生時代に一世風靡したひとです。先日は同じく元Gクレフの榊原大君ともデュオ企画立ち上げたところですが、同じ時代にクラシックの枠から飛び出たり、一緒に演奏したり飲んだりしていた仲間と、こうしてほぼ20年ぶりにまた共演するというのは、なんというか帰巣本能が呼び覚まされるみたいに、妙に血がさわぎます。 そんなこんなで、ささやかな平日午前のブランチコンサート、、、の企画が、盛りだくさんの好きなことなんでもやっちゃいますよーーーみたいなコンサートになってしまいました。 最初はダンスもヴァイオリンも全くチラシに載っていなかったのに、直前にこういう突発企画を入れてもOKしてくれて、ほんとにスタッフの皆様ありがとうございました。連弾で共演してくださったピアニストの本多昌子先輩、私のはちゃめちゃなステージ構成にもかかわらず、素晴らしい演奏でお力添えくださって、ありがとうございました。 はちゃめちゃといえば、実はこの日はわたくし黒猫のタンゴを一部弾き語りしてしまいました。黒猫のタンゴって、イタリアの子供の歌のコンクールで大ヒットした曲が、その後日本に輸入されて、日本でもヒットしたんですよ。うちの子がよくイタリア語で歌うので、今回タンゴつながりで歌ったり弾いたりしてみました。私の歌が「幼稚園児のおうた」レベルなのは一部では知られていますが(汗)、、、、 その歌の部分は動画で編集カットされてます。へっへっへ。 あら、夏の出来事ひととおり書くつもりが、杉並のところで止まってしまいました。何しろ日本の夏、長かったので・・・続きはまた次回。
by kuroakinet
| 2009-09-12 20:29
| ミラノ日記
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黒田亜樹(piano)
東京芸術大学卒業後、イタリア・ペスカーラ音楽院高等課程を最高位修了。 フランス音楽コンクール優勝。ジローナ20世紀音楽コンクール現代作品特別賞受賞。現代音楽演奏コンクール優勝、朝日現代音楽賞受賞。卓越した技術と鋭い感性は作曲家からの信頼も高く、「ISCM世界音楽の日々」「現代の音楽展」「サントリーサマーフェスティバル」「B→Cバッハからコンテンポラリー」など、主要な現代音楽演奏会にて内外作品の初演を多数手がける。ビクターより「タンゴ・プレリュード」「タンゴ2000」をリリース。タンゴの本質を捉えた表現と大胆なアレンジは各方面で注目された。2013年にはバンドネオン奏者の小松亮太氏とともにピアソラ作曲オペラ『ブエノスアイレスのマリア』を、ピアソラ元夫人で歌手のアメリータ・バタールを迎え完全上演し話題を呼んだ。国外ではサルデーニャのSpazioMusica現代音楽祭でブソッティ作品の初演、パルマのレッジョ劇場でキース・エマーソンの代表作「タルカス」を現代作品として蘇演、シチリアのエトネ音楽祭出演などイタリアを中心に活動。 作曲家・植松伸夫と浜渦正志の指名により録音した「PianoCollectionsFINALFANTASY」やイタリアLIMENレーベルよりリリースした「ブルクミュラー練習曲全集」のDVDによっても、世界中のファンに親しまれている。 2014年アメリカのオドラデクレーベルより「火の鳥」~20世紀音楽ピアノのための編曲集リリース。イギリスBBCミュージックマガジンにて五つ星、レコード芸術誌にて特選盤に選ばれる。「東京現音計画」メンバーとしてサントリー芸術財団第13回佐治敬三賞受賞。ミラノ在住。ht t p:// k u r o a k i. n e t 公式サイト・クロアキネット 以前の記事
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