震災後のコンサートキャンセルのメッセージのまま、なかなか更新できずにいました。
地震直後の日本に、意を決して息子を連れて飛びましたが、余震や停電、食料混乱、交通麻痺、ヨーロッパ線の航空便の予測できない変更、原発の不安など、心細くなる材料は山ほどありました。ヨーロッパの仲間たちからは、本当に日本にいくのか?大丈夫なのか、せめて子供は置いていけと強く引き止められましたが、今こそ元気な私たちは出来る限り普通の生活をし、出来るものならば通常通りの仕事を約束どおり行いたくて帰国しました。 幸いに決まっていた講座などは一箇所のキャンセル以外すべて無事に終えることができました。参加してくださった皆様、ありがとうございました。 そして、この滞在期間に、息子は公立小学校の入学体験もさせていただきました。校庭の桜、全校生が歌った国歌。大きすぎるランドセル。数日前まで余震におびえて玄関で寝ていたので、これは非現実なのか、と思うほどまぶしい入学式でした。 イタリアから何度も大丈夫かというメールがくるので、来日を控えているイタリアの友人にも入学式の写真を送りました。 チャリティなど大きなことはできなかったのですが、講座もしっかりできましたし、小学校でもたくさん新しい友達ができて、いつもよりずっと濃く長く感じる帰国となりました。 先週よりミラノで息子はまた幼稚園にもどりました。6月に卒園式をおえたら、また夏休みまでのつかの間、日本で小学校に通わせていただきます。イタリアで外人としてさまざまな手続きに振り回されているだけに、日本人は日本に帰ったらその日から通学できるということに、感謝しきり。。。。 ミラノに戻ると、予想通り皆に目をまるくされます。「大丈夫なの?」と。 そんな時、パリ在住の尊敬すべき親友の言葉を思い出して、一生懸命答えています。 「いまのわたしがほんとうにしなくてはならないことは実はチャリティの演奏でもなんでもない。地震の話題を振ってくる人ひとりひとりに、自分が外交官になった気持ちになって誠意を尽くして話すこと。」 追伸 水牛5月号です
by KUROAKINET
| 2011-05-03 18:09
| ミラノ日記
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黒田亜樹(piano)
東京芸術大学卒業後、イタリア・ペスカーラ音楽院高等課程を最高位修了。 フランス音楽コンクール優勝。ジローナ20世紀音楽コンクール現代作品特別賞受賞。現代音楽演奏コンクール優勝、朝日現代音楽賞受賞。卓越した技術と鋭い感性は作曲家からの信頼も高く、「ISCM世界音楽の日々」「現代の音楽展」「サントリーサマーフェスティバル」「B→Cバッハからコンテンポラリー」など、主要な現代音楽演奏会にて内外作品の初演を多数手がける。ビクターより「タンゴ・プレリュード」「タンゴ2000」をリリース。タンゴの本質を捉えた表現と大胆なアレンジは各方面で注目された。2013年にはバンドネオン奏者の小松亮太氏とともにピアソラ作曲オペラ『ブエノスアイレスのマリア』を、ピアソラ元夫人で歌手のアメリータ・バタールを迎え完全上演し話題を呼んだ。国外ではサルデーニャのSpazioMusica現代音楽祭でブソッティ作品の初演、パルマのレッジョ劇場でキース・エマーソンの代表作「タルカス」を現代作品として蘇演、シチリアのエトネ音楽祭出演などイタリアを中心に活動。 作曲家・植松伸夫と浜渦正志の指名により録音した「PianoCollectionsFINALFANTASY」やイタリアLIMENレーベルよりリリースした「ブルクミュラー練習曲全集」のDVDによっても、世界中のファンに親しまれている。 2014年アメリカのオドラデクレーベルより「火の鳥」~20世紀音楽ピアノのための編曲集リリース。イギリスBBCミュージックマガジンにて五つ星、レコード芸術誌にて特選盤に選ばれる。「東京現音計画」メンバーとしてサントリー芸術財団第13回佐治敬三賞受賞。ミラノ在住。ht t p:// k u r o a k i. n e t 公式サイト・クロアキネット 以前の記事
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