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月刊ショパン  04年11月号   ローマの平日?

月刊ショパン  04年11月号   ローマの平日?_e0056670_81192.jpg皆さんお元気ですか。日本もやっと涼しくなった頃でしょうか。9月初めにイタリアに戻ってきて、久しぶりにローマに出かけてきました。クラリネットのアレッサンドロ・カルボナーレさんとのはじめてのリハーサルだったのですが、最初からお互いすっかり打ちとけてしまい、サンタ・チェチリアのオーケストラのリハーサル室で、午後一杯充分時間はあるから、なんて話しながら練習を始めてみたら、あっけなく終わってしまって、おかしいくらいでした。
彼の素晴らしさは噂にはきいてはいましたが、さすがイタリア人だなあと感激したのは、音楽がとてもカンタービレなこと。ブラームスだって、考えこんだり、音楽を煮つめる感じではなくて、文字通り音楽の喜びにあふれているんです。アーティキュレーションの解釈とか、音の呼吸の幅に豊かに変化をつけるところなんて、メッツェーナ先生から学んだことにそっくりでした。これがイタリア風ということでしょうか。練習が早く終わったので、カルボナーレさんの車で娘さんを保育園に迎えにいって、しばらくお宅でおしゃべりをしてきたのですが、お宅にはジャズの本がいっぱい!譜面台の上にもジャズの教則本がのっていました。もしかして、今度のリサイタル、アンコールでジャズも出来るかもな、なんて思ってしまいました。奥さんも娘さん二人もとても可愛らしくて、家族とローマで暮らしたいとフランスから帰ってきた、家族思いのカルボナーレさんだけのことはあります。偶然その日はカルボナーレさんの誕生日で、あちこちからハッピーバースデーのメッセージが届いて、人気者の面目躍如でした。最終のミラノ行の特急に乗って、しばらくして気がつくと、電車がボローニャの駅で止まっているんです。おかしいなあと思っていると、パルマあたりで線路故障があって、電車はヴェローナを迂回してミラノへ行くというではありませんか。ええ!こんな夜更けに…。と思わず周りの乗客と顔を見合わせてしまいました。大阪から東京に帰る途中、浜松あたりで線路故障があって、名古屋から長野を迂回して東京へ、と言われたら、誰でもショックでしょう? 誰もいないミラノ中央駅に漸くたどり着いたのは、午前2時前。特急券払い戻しの紙を国鉄に送ったんだけど、そういえば梨のつぶてです。
by kuroakinet | 2006-02-14 07:56 | 月刊ショパン
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