3/23チェリスト水谷川優子さんとの紀尾井サロンの公演は 8/25に延期となりました。チケットの変更や払い戻しご質問等は問い合わせ先にご連絡くださいますよう宜しくお願い申し上げます。 優子さんも私も、国際線を近距離バスのように気楽に乗りながら生活してきたので、今の世界の状況は演奏活動のみならず、日常生活にそのまま降りかかってくることですが、相談しながら5月以降二人での新譜発売やコンサートに向かって進みたいとおもいます。またお知らせいたします。 イタリアが誇るクラリネットの名手、アレッサンドロ・カルボナーレ氏の来日公演については、3月31日の関西フィルのコンチェルト、その後の私が共演するリサイタル、4月1日宗次ホール 4月2日フィリアホール、4月3日日経ホール共に、現在来日の方向で動いているとのことです。カルボナーレ氏は南イタリア在住なので僕は日本への入国制限もないので大丈夫、と豪語しています。とはいえ毎日刻々と世界の対応が猛スピードで変わる状況で、今は私も展開を見守るしかありません。イタリアで自宅待機中の彼はエネルギー有り余って毎日アドリブを練習しているようですが。アレサンドロがもし元気に来日していつものスーパープレイを披露したら、皆さんのイタリアへのイメージも変わるのだろうか・・・とはいえ、今の状況はとんでもなく厳しいですよね。ともかく私は何でも弾けるようにあれこれさらいながら待機します。いつも彼は直前に平気で演目を変えてきますから。彼が来日したら真っ先にお知らせします。 日本のニュースや番組では安易にイタリアの医療事情を悪く言う内容が目につき、何の為の報道なのかと辛くなります。私自身はイタリアで出産や子供の大病時入院生活を経験しましたが、過度なサービスは一切なく、必要な事を徹底的に進めていく先生方に感謝の思い出しかありません。 一昨日はイタリア全国で皆が時間を決めてバルコニーから医師や看護婦に拍手をしていましたが、私も同じ時間に日本から拍手を送りました。ピークは数日後と見解がでていました。どうかみんな踏ん張ってほしい。 コロナを皆必死で食い止めようとしているのは、発症したら隔離される感染症であり、家族が重症になっても一切見舞うこともできず、最後に抱きしめて見送ることもできないからです。家族を愛し年配の方々を敬うイタリア人にとって、このことが本当に心の痛みになっているのです。日本の皆さんも今のヨーロッパ各国のとんでもない感染のスピードと対応を参考にしていただきたいです。 私の帰国自主的隔離生活は二週間目に入りました。あと一週間静かにこもって過ごします。(各地から色々な名産品が宅配で届き、息子も目をぱちくり!有難うございます。涙目でいただいています。ごちそうさま!) #
by kuroakinet
| 2020-03-16 22:18
お知らせ
三月第一週のイベント中止につづきまして 以下のピティナ講座も全て中止となりました。
3月13日巣鴨 3月15日山梨 3月19日新潟 3月28日米子 3月30日大阪 3月8日に北部イタリアが封鎖、続いて現在イタリア全土が封鎖措置となっています。 封鎖前日に万一に備えロンバルディアから移動開始、封鎖決定直後に息子と留学中の愛弟子数人と共に日本帰国便に飛び乗りました。ニュースに正確な情報が足りず、どのような封鎖なのかもわからず右往左往しながら移動、混乱しましたがら皆無事で健康状態も問題ありません。情報に敏感になりすぎても鈍感すぎてもいけませんね。 まずは二週間自宅待機をいたします。 杉山はミラノに教職もありますので、あちらに残りました。 日本でもイタリアの状況が様々な形で報道されており、皆さんに心配をかけていますので帰国のご報告まで。 自主的待機期間が終わりましたらお目にかかれると思います。 ミラノにいる友人仲間、杉山も含め外出を控えながらも普通に生活しています。封鎖といってもかなり広い地区でその中では動けますし生活に支障はありません。 私は今回の大規模な突然の封鎖がどのような法的な対応をするのか見えなかったので慌てて動きましたが、これから外務省も動くはずですし、ミラノから帰国希望の方は順に帰国できるはずです。 イタリア北部の死亡者の日毎の数字には緊張が増しますが、医療崩壊というフェイクニュースにイタリアの病院が否定のビデオをニュースで発表したりしています。最善を尽くしていると思います。 北イタリアは高齢社会ですから。日本のご高齢の方、疾患のあるかたに安心して生活していただくために、私も自主謹慎期間のみならずその後もしばらく動きを控えよう、と今回のことで思いを強くしています。 いましばらくは夫はミラノから私は東京から、オンラインレッスンや、日頃できない細かな作業をすすめます。 講座関係は全てなくなりましたが、三月後半のコンサート4月頭のコンサートについては検討中とうかがっています。またお知らせいたします。 #
by kuroakinet
| 2020-03-12 10:08
30日のヤマハミュージック難波店PTNA課題曲セミナーも開催予定で進行しております
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by kuroakinet
| 2020-03-04 01:38
ミラノ・アレッサンドロ・ヴォルタ科学高校(liceo scientifico Alessandro Volta)ドメニコ・スクイッラーチェ(Domenico Squillace)校長より、学生父兄宛の手紙。
「 ”ドイツ軍がミラノにペストをもたらすのではと保健当局は危惧していたが、ご存じの通りペストはミラノにやってきた。よく知られるように、それどころかペストはイタリアの大部分を侵し、人々をなぎ倒していった。” これは「いいなづけ」(Alessandro Manzon: I Promessi Sposi邦題「いいなづけ」「婚約者」。 マンゾーニの不朽の名著)第31章冒頭の言葉です。この章では続く章とともに、1630年ミラノを斃したペスト伝染病の描写がつづきます。 実に啓示に富み、驚くほど現代的な文章ですから、この混乱した日々のなか、心して読むことを奨めます。 これらのページには、外国人の危険性への偏見、当局間の激しい諍い(首相と州知事との軋轢が話題になった)、(今回イタリアに病気を持ち込んだ)第一号患者の病的なほどの捜索劇、専門家に対する侮辱、(中世ペスト塗りと呼ばれた)ペスト感染者狩り、言われなき風評、もっとも馬鹿げた治療、生活必需品の掠奪、保健機構の緊急事態など、全てが書かれています。 これらのページを捲れば、Ludovico Settala 、Alessandro Tadino(両者ともペスト治療に尽力した高名な医者)、Felice Casati(ペスト流行時Lazzaretto院長だった高僧)のように、わが校周辺の通りに名が冠され、みなさんもよく知っている名前にも出会うでしょう。 何よりわが校は、ミラノLazzaretto(伝染病患者収容施設としてヴェネチア門から外に建設されていた)地区の中心に建っているのですから、こうして綴られた言葉は、マンゾーニの小説からというより、わたしたちの日々のページから飛び出してきたようですね。 みなさん例え学校が閉まっていても、わたしはこれだけはお話したい。わたしたちの世界は、昔からずっと同じことを繰返してきました。 わたしたちの高校は、規律を貴び、落着いて勉学に励むべき学び舎であり、今回のような関係省庁からの、異例な学校閉鎖通告に従うのは当然です。わたしは専門家ではありませんし、専門家を偽るのも嫌ですから、当局の今回の措置について、個人的意見を述べるのは避け、彼らの対策を尊重し、全幅の信頼を置いて、彼らからの助言を注意深く見守ってゆきたい。 わたしは、皆さんが冷静沈着につとめ、落着いて行動し、集団心理の過ちに陥らず、細心の注意を払いつつも、ぜひごく普通の生活を続けてほしいと願います。 どうか、この時間をぜひ有効に役立ててください。家から出て散歩をし、良書に接してください。みなさんが健康ならば、家に閉じこもる必要はありません。スーパーマーケットや薬局に押し掛ける理由はないのです。 マスクは苦しんでいる患者さんたちに譲りましょう。彼らにこそ必要なものです。今日、地球の端から端まで、この病気の伝わるめざましい速さは、わたしたち自身が作り出したものであり、それを阻める壁などありません。その昔も、伝播する速さが多少緩慢なだけで、等しく伝わってゆきました。マンゾーニや、彼よりむしろより力強くボッカチオがわたしたちに教えてくれること、それはこうした出来事で社会生活や人々の繋がりに毒が盛られ、市民生活がより粗野になることです。目に見えない敵に脅かされていると感じると、わたしたちの身体に走る本能が、どんなものも敵であるかと見誤らせてしまいます。 危険なのは、わたしたちとまるっきり同じものでさえ、まるで脅威のように、潜在的な攻撃者のように見せてしまうのです。14世紀17世紀の伝染病と比べて、わたしたちには現代医学があるのを忘れないでください。医学の発達や精度を信じてください。理性的な思考を使おうではありませんか。医学とは、わたしたちの最も尊い財産、つまりこの社会やわたしたちの人間性を守るために生まれたものです。わたしたちに今それが本当にできないのであらば、ペストが本当に勝利したことになるでしょう。では近いうちに。みなさんを学校で待っています」。 訳 杉山洋一 (2月28日ミラノにて) 水牛のように2020年3月号より転載 https://www.corriere.it/scuola/secondaria/20_febbraio_26/coronavirus-cari-ragazzi-leggete-manzoni-boccaccio-non-fatevi-trascinare-delirio-59cd3726-5869-11ea-8e3a-a0c8564bd6c7.shtml
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by kuroakinet
| 2020-03-03 18:17
ご報告 (このブログを書いた数日後にさらに3月13日15日の講座も延期となりました)
報道されているように私の居住しているミラノ、ロンバルディア州はコロナウイルスの感染者や死者が日に日に増えており、学校も閉鎖、自宅待機となっています。ロンバルディア発の列車があちこちで止められたり、猛スピードで周辺国からのガードが進んでいます。今動くと帰国再入国共に隔離されるようなリスクもあることを考慮して、オンラインでの振替イベントについては、ピティナ本部に新たな講師を探していただくようにお願いし、帰国便を二週間後に延期しました。近現代課題曲を急遽引き受けてくださった菊地裕介先生、本当にありがとうございます。 今回の急な事情に対応下さいましたピティナの皆様に心から感謝致します。 日々の緊張からすこし感情が乱れそうになりましたが、福田成康さんの皆様に向けての新たなお知らせの言葉、速やかな対応に我にかえりました。 https://twitter.com/seikohfukuda/status/1232894575301128192 ミラノに15年住み、気楽に年に10回近く往復し、インターネットで皆とつながって、欧州と日本の距離は常に近く感じて心も感覚も広げて生きようと日々心掛けてはいますが、それでいながら国境という見えない壁をいつも感じながら生きているのも事実です。震災の時もそうでしたが、なにか災害などがあると防衛本能から国交は厳しくなり差別も激しくなります。コロナよりこの国境の厚みが今の私にはとても恐怖です。海外に移民として暮らしているだれもが、肌の下の方でいつも強く感じていながら触れないようにしているものでしょう。 三月中旬以降の講座や、3月末からのカルボナーレ氏とのツアーは予定通り進行していますから、二週間後には状況が良くなっていることを願うばかりです。 ミラノにて ↓政府からのイベント自粛要請に伴い、こちらの二つのイベントが中止となりました #
by kuroakinet
| 2020-02-27 15:17
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黒田亜樹(piano)
東京芸術大学卒業後、イタリア・ペスカーラ音楽院高等課程を最高位修了。 フランス音楽コンクール優勝。ジローナ20世紀音楽コンクール現代作品特別賞受賞。現代音楽演奏コンクール優勝、朝日現代音楽賞受賞。卓越した技術と鋭い感性は作曲家からの信頼も高く、「ISCM世界音楽の日々」「現代の音楽展」「サントリーサマーフェスティバル」「B→Cバッハからコンテンポラリー」など、主要な現代音楽演奏会にて内外作品の初演を多数手がける。ビクターより「タンゴ・プレリュード」「タンゴ2000」をリリース。タンゴの本質を捉えた表現と大胆なアレンジは各方面で注目された。2013年にはバンドネオン奏者の小松亮太氏とともにピアソラ作曲オペラ『ブエノスアイレスのマリア』を、ピアソラ元夫人で歌手のアメリータ・バタールを迎え完全上演し話題を呼んだ。国外ではサルデーニャのSpazioMusica現代音楽祭でブソッティ作品の初演、パルマのレッジョ劇場でキース・エマーソンの代表作「タルカス」を現代作品として蘇演、シチリアのエトネ音楽祭出演などイタリアを中心に活動。 作曲家・植松伸夫と浜渦正志の指名により録音した「PianoCollectionsFINALFANTASY」やイタリアLIMENレーベルよりリリースした「ブルクミュラー練習曲全集」のDVDによっても、世界中のファンに親しまれている。 2014年アメリカのオドラデクレーベルより「火の鳥」~20世紀音楽ピアノのための編曲集リリース。イギリスBBCミュージックマガジンにて五つ星、レコード芸術誌にて特選盤に選ばれる。「東京現音計画」メンバーとしてサントリー芸術財団第13回佐治敬三賞受賞。ミラノ在住。ht t p:// k u r o a k i. n e t 公式サイト・クロアキネット 以前の記事
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